子どもの心をつかむ!担任1年目の朝の会アイデア5選

教育

目次

担任1年目。
やっとの思いで教壇に立ち、子どもたちと向き合い始めたはいいものの、「朝の会って、何をすればいいんだろう…」と、朝から不安でいっぱいだった日々を今でも思い出します。

朝の会といえば、あいさつ・出席確認・今日の予定…。
でも、それだけじゃどこか物足りない。
もっと子どもたちの表情がほぐれるような時間にしたい
そう思って、いろいろなアイデアを試しながら試行錯誤を繰り返してきました。

そして気づいたのは、朝の会は「連絡の時間」ではなくて、その日一日をどんな気持ちでスタートするかを決める空気づくりの時間なんだということ。

ちょっとした笑い声が教室にひろがった日、
友達と目を合わせてうなずき合う子どもたちを見た日、
何気ない「ありがとう」が飛び交った日——
そのどれもが、1日の流れをスムーズにする魔法の時間だったのです。

この記事では、そんな実感をもとに、「担任1年目でもムリなくできる」朝の会のアイデアを10個ご紹介します。
すべて、私自身が実際に使って「やってよかった!」と思えたものばかり。どれも特別な道具はいらず、先生のちょっとした工夫だけで始められるものばかりです。

「何から始めればいいかわからない」
「朝の空気をちょっとやわらかくしたい」
そんな思いを抱えるあなたのヒントになれたら嬉しいです。


第1章|みんなで笑顔!今日の〇〇探し

1年目の春。
教室に入ると、眠たそうな目、ぼーっと座っている姿、無言の空気にちょっと戸惑いました。

「おはようございます」と元気よく言ってみても、返事はポツポツ。
そのときふと、「朝って、ただ始まるだけじゃなくて、切り替える時間なんだな」と感じたんです。

だからこそ、朝の会で笑顔のスイッチを入れるような一工夫を。
そこで私が取り入れたのが、「今日の〇〇探し」というアクティビティでした。

今日の〇〇探しってどんなことをするの?

これは簡単に言えば、毎朝1つのテーマを決めて、それにまつわることをクラス全体で見つけるという活動です。

たとえばこんなテーマがあります。

  • 今日の「ありがとう」探し
     → 昨日誰かにありがとうを言われたことは?自分が言ったことは?
  • 今日の「発見」探し
     → 今朝見たちょっとした変化、面白いこと、ニュースでもOK。
  • 今日の「笑ったこと」探し
     → 最近笑った話や、テレビ、家族とのやりとりなど何でもOK。
  • 今日の「応援したい人」探し
     → クラスの中で今日応援したい人や、その理由を話してみる。

黒板にテーマを書く → 2~3人に自由に話してもらう → 「わかる〜!」と共感する声が広がる。
そんな流れで、自然と教室に笑顔が戻ってくるんです。

▶ 実際にやってよかった!子どもたちの変化

最初は「なにそれ〜?」とざわざわしていた子どもたちも、数日経つと、

「先生、今日の〇〇は何ですか?」
「昨日のおもしろいこと、めっちゃ言いたい!」

と、朝の会が楽しみな時間に変わっていきました。

特に印象的だったのは、「今日のありがとう探し」で、ある子が小さな声で

「○○くんが、落としたえんぴつ拾ってくれて、ありがとうって言えました」

と話してくれたこと。
教室の空気がじんわり温かくなったのを、今でも覚えています。

▶ ポイントは、発言のハードルを下げること

「話すのが苦手な子もいるのでは?」と思われるかもしれません。
実際、最初から手を挙げるのは、いつも決まった子だけ…ということもあります。

でも大丈夫。以下のような工夫で、だんだん話してみようかなという空気が生まれてきます。

  • 担任の先生が最初に1つお手本を話す
  • 「聞くだけチーム」もOKと伝える(参加しなくても安心できる)
  • ペアで話してから、代表者だけ発表する形式も◎
  • たまに「ジェスチャーだけ」「イラストだけ」など発言以外も許容

「言わなきゃ」ではなく、「言ってみたい」と思える雰囲気づくりが大切なんです。

▶ あなたへのメッセージ

朝の会は、先生にとっても子どもにとっても心のコンディションを整える時間。

「今日の〇〇探し」は、小さな対話と共感を通して、クラスの一体感を少しずつ育ててくれるアイデアです。

笑顔で1日が始まると、先生自身も気持ちが軽くなりますよね。

ぜひ、あなたのクラスでも今日の〇〇を探してみませんか?


第2章|一言スピーチ「昨日の小さなハッピー」

朝の会で子どもたちに「何か話してみよう」と声をかけても、
しんとした空気が流れてしまうことって、ありますよね。

実際、私も1年目のころは、
「はい、誰か話したい人いますか〜?」と聞いても、シーン……。

(話すことなんてないよな……)
(いきなり話せって言われても、そりゃ無理か……)

そんな空気が流れたときに、ある先輩の先生が教えてくれたのが、
「一言スピーチ」という方法でした。

▶「昨日の小さなハッピー」とは?

「一言スピーチ」は、朝の会で1人ずつ短く話すアクティビティです。
そのテーマとして私がよく使っていたのが、「昨日の小さなハッピー」

  • 夕飯に好きなものが出た
  • 宿題を早く終えられた
  • 飼ってる犬がしっぽを振ってくれた
  • 家族で笑った、ほっとした時間があった

そんな、日常の中にある小さな幸せを見つけることに、意味があるんです。

▶「話せた!」の積み重ねが、子どもに自信を与える

最初は、

「うーん…とくになかった」
「何しゃべればいいの?」

という子もいました。でも私は焦らずに、「小さくていいよ」「短くて大丈夫」と伝え続けました。

すると次第に、

「今日ママと一緒にスーパー行ったよ」
「弟とゲームした」
「朝ごはん、おかわりした!」

そんな、ほんのささいな出来事が、子どもたちから自然と出てくるようになったんです。

「話せた」経験が、子どもたちに安心感と自信を与えていく。
そんな場面を、私は何度も目の前で見てきました。

▶ 1年目の私が大切にしていた工夫

担任1年目で不安だった私は、次のような仕掛けでスピーチを続けていました。

  • 「話してくれてありがとう」の拍手ルールをつくる
     → 話した内容に正解・不正解はなし。みんなで拍手することで温かい雰囲気を育てる。
  • スピーチの「お題カレンダー」を教室に掲示
     → 曜日ごとにテーマを固定する(月:好きな食べ物、火:最近びっくりしたこと…など)
  • 先生も必ず話す
     → まず自分が「ちいさなハッピー」をシェアすることで、子どもたちに安心感を伝える。

▶ 実際にあった、あたたかいエピソード

ある日、普段あまり話さない子が、ちいさな声で

「昨日、おじいちゃんの畑でにんじんを抜いた。楽しかった。」

と話してくれました。

一瞬、教室がしんと静まり、次の瞬間、

「へえー!すごい!」
「にんじん好き!」
「抜くのってむずかしいの?」

と、自然と子どもたちの反応が広がったんです。

その子は照れながらも、とても誇らしそうな顔をしていました。

▶ あなたへのメッセージ

「話すのが苦手な子もいるから…」
「時間がかかるから…」

そう思って、朝のスピーチを躊躇していませんか?

でも、昨日の小さなハッピーは、どんな子にも共通してあるあたたかい記憶

それを分かち合う時間は、きっと子どもたちの心をほぐし、クラスの雰囲気を少しずつ変えてくれます。

まずは先生自身が話す楽しさを感じてください。
その背中を、子どもたちはちゃんと見ています。


第3章|ペアで「ひと言ありがとう」交流

「ありがとう」って、言われるとなんだか心があったかくなりますよね。

でも、子どもたちが自分からお礼を言う場面って、
実は意外と少ないのかもしれません。

だからこそ、朝の会でありがとうを自然に伝え合う時間をつくってみると、
教室の空気がふっと和らぎます。

▶ どうやってやるの?「ひと言ありがとう交流」のやり方

やり方はとってもシンプルです。毎朝、2〜3分だけ。

  1. 教室でランダムにペアをつくる(くじ引きでもOK)
  2. 「昨日ありがとうって思ったことを、相手にひとこと伝えよう」と伝える
  3. 一人ずつ、ペアに向かって「ありがとう」を伝える
      例:「昨日プリント拾ってくれてありがとう」
        「図書室で静かにしててくれて助かったよ」など

ポイントは、具体的に伝えること。
そして、言われた子はありがとうを受け取るだけでOK。無理に返さなくていいんです。

▶ 実践して気づいた「ありがとう」の力

私が担任1年目でこの活動を始めたとき、最初はぎこちなさがありました。

  • 「えー、恥ずかしい…」
  • 「別に何もされてないし…」

そんな反応もちらほら。でも、2週間も続けてみると、変化が見えはじめたんです。

ある日、普段はおとなしい子がこんなことを言いました。

「昨日、イス動かしてくれてありがとう。ちょっと助かった。」

その一言を聞いた相手の子は、ちょっと照れくさそうにニコッとして、
「うん」とうなずいていました。

その笑顔が、教室に広がっていくのを感じたんです。

▶ 担任1年目の先生に伝えたい心ほぐしの一歩

「ありがとう」は、言葉のプレゼント。
それを自分の口で伝えるという体験は、子どもたちにとって思った以上に意味があります。

担任1年目の私は、こんな工夫をしていました。

  • ペアは毎日変える:いろんな子とつながるチャンスをつくる
  • カードに書いて渡す日もある:口で言えない子のための言葉の代わり
  • 先生も必ず参加する:「昨日◯◯さんが机運んでくれたの嬉しかったよ」と伝える

先生もありがとうを伝える側になることで、子どもたちも安心して真似してくれるんです。

▶ ありがとうがクラスの文化になる

ある日、こんなことがありました。

朝の会が終わったあとも、1人の子が友だちに

「さっき言えなかったけど、昨日のことありがとう!」

と話しかけている場面を見たんです。

「ありがとうを伝えたい」という気持ちが、子どもたちの中にちゃんと芽生えていた。

それを見たとき、私は朝の会って、
単なる連絡の場ではなく、心を育てる時間なんだなと実感しました。

▶ あなたへのメッセージ

担任1年目。子どもたちに何かいいことをしようとがんばっているあなたへ。

「ひと言ありがとう交流」は、特別な道具も準備もいりません。
でも、やさしさや思いやりを育む、かけがえのない時間になります。

ありがとうは、まわりも自分もあたたかくする魔法の言葉。

朝の会で、その小さな魔法を育ててみませんか?


第4章|よくできたエピソード共有タイム

担任1年目のとき、私は毎日こんなことを考えていました。

「この子たち、一人ひとりが“自信”を持って教室に来られるようになってほしいな」

でも現実は、ちょっとしたミスで落ち込んでしまったり、
周りと比べてモヤモヤしてしまったり…。

だからこそ、「自分を肯定できる瞬間」を意図的に作りたいと思って始めたのが、
この「よくできたエピソード共有タイム」です。

▶ やり方はとてもシンプル

  1. 朝の会の最後に、毎日1人〜3人程度が発表
  2. テーマは「昨日、自分で“ちょっとよくできたな”と思ったこと」
  3. みんなは話を聞いて、「すごいね」「がんばったね」の拍手

たとえばこんなエピソードが出てきます。

  • 「体育のとき、あきらめずに跳び箱にチャレンジできた」
  • 「お母さんに“今日は朝の準備早かったね”って言われた」
  • 「友だちにやさしくできた」

どんなに小さなことでも、できたと思えたら、それは立派なエピソードです。

▶ ポイントは「自分でそう思えたかどうか」

教師としての声かけで大切にしていたのは、
他人と比べないという視点です。

「すごい成績をとった」「リーダーをやりきった」だけができたじゃない。
その子の中でのちょっとした前進やチャレンジが、心の栄養になるんです。

そして、こんな声かけをよく使っていました。

「昨日の自分と比べて、ちょっとでも成長したなって思えること、あった?」

これだけで、子どもたちの表情が少しほぐれるんです。

▶ 実際にやって感じた「自己肯定感の芽」

ある日、普段あまり手を挙げない子が小さな声で発表してくれました。

「給食を食べきれたの、久しぶりだった…。」

クラスのみんなが拍手をすると、その子は少し照れくさそうに笑っていました。

それをきっかけに、その子は翌日から「先生、今日も全部食べられたよ」と自分から話してくれるようになったんです。

こうした小さな変化が、子どもたちの「やってみよう」につながっていくのを感じました。

▶ 朝から「自分ってちょっといいかも」を感じる時間に

「よくできたエピソード」を共有する時間は、
成功体験をクラス全体で祝福する機会でもあります。

しかもそれは、特別な行事じゃなくていい。
日々の中の、ほんのちょっとのがんばりでいい。

その気づきを言葉にする力も、聞いて応援する姿勢も、どちらも育ちます。

▶ 担任1年目のあなたに贈りたい言葉

クラスの中には、言葉に出すのが苦手な子もいるかもしれません。
それでも、「よくできたことを見つけよう」とする習慣が、
少しずつ子どもたちを前向きにしていきます。

この活動を毎日じゃなくても、週に1回、金曜日だけの“自分褒めタイムでもいいんです。
「ちょっといいことがあった週」を見つける習慣が、生きる力につながっていきます。

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第5章|体操 or ストレッチ 2分リフレッシュ

朝の会って、どうしても「話し合い」や「伝達」が中心になりがちですよね。
でも、体を動かす時間がちょっとあるだけで、子どもたちの目の輝きが変わるんです。

私が担任1年目のときに取り入れて驚いたのが、2分だけの簡単な体操やストレッチ。
眠たそうな表情がほぐれて、笑顔が増えて、心の距離まで縮まった気がしました。

▶ どんなことをすればいいの?おすすめメニュー3選

取り入れやすい「2分運動タイム」のアイデアはこちら。

① ラジオ体操(第1だけでOK!)

  • 音楽に合わせて自然と体が動く
  • 授業のスイッチが入りやすい
  • 動きがわかりやすく、どの学年でも対応可能

② 先生オリジナルストレッチ

  • 肩・首まわりのほぐし体操(パソコンや読書後にぴったり)
  • 子どもたちの好きな動物の動きを入れると盛り上がる(例:「ねこのびストレッチ」)

③ 1人がリーダーになって「まねっこ体操」

▶ リフレッシュの効果は授業の質にもつながる

私自身、1年目のころは「朝の会で体操…?時間がもったいないのでは?」と思っていました。
でも、ある日、ちょっとしたストレッチを取り入れてから驚いたんです。

  • 児童の集中力が明らかに上がった
  • 朝の教室が静かすぎず、ほどよい活気が生まれた
  • グループ活動や発表で声がよく出るようになった

体を動かすことで、心のスイッチも入る。
そんな小さな変化が、学級経営にとって大きな土台になると感じました。

▶ 担任1年目でも安心!取り入れるポイント

  • ルールをゆるくする:「毎日やらなくてOK」「気が向いたらやろう」くらいのスタンスで◎
  • 子どもと一緒に考える:「今日はどの体操にする?」とクラスでアイデアを出す日も楽しい
  • 静と動のバランスを意識する:しっとり始めたい日、活発に始めたい日…朝の雰囲気に合わせてチョイス

▶ あなたへのメッセージ

朝のリズムは、1日のリズム。
そのスタートに“ちょっと動く”時間を入れるだけで、クラスの流れはぐっとスムーズになります。

何より、「先生が楽しそうに体操している」
それだけで、子どもたちは安心するし、つられて笑顔になってくれます。

「がんばらなくていい、動くだけでいい」
そんなやさしい時間、朝の会に取り入れてみませんか?

おわりに|朝の会は、学級づくりの第一歩

朝の会って、やることがたくさんあるし、忙しい時間帯でもありますよね。
正直、「今日もなんとか乗り切った…」とホッとするだけで精一杯の日もありました。

でも、たった5分でも、子どもたちと心を通わせる時間にできたら、教室の空気がガラッと変わります。
小さな「楽しい」や「ありがとう」が、子どもたちの心をほぐし、信頼の土台をつくってくれるんです。

担任1年目は、不安やプレッシャーに押しつぶされそうになることもあります。
でも、朝の会こそがあなたらしい学級経営のスタート地点になります。
完璧じゃなくて大丈夫。まずはひとつ、気になるアイデアから試してみませんか?

きっとその小さな一歩が、子どもたちの笑顔につながっていきます。

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